育んであげたい、0~3歳の心の発達/ コミュニケーションは赤ちゃんから
子育てのこと

コミュニケーションは赤ちゃんから

#育んであげたい、0~3歳の心の発達
#コミュニケーションする力を育む

赤ちゃんは大人が考えているよりずっと高いコミュニケーション能力を持っているといわれています。

生まれてまもない赤ちゃんがニコッとして、周りのひとたちを「笑った、笑った」と喜ばせる、これは新生児微笑や生理的微笑とも呼ばれますが、気持ちがともなって笑っているわけではなく、顔の筋肉が自然に収縮して笑っているような表情をつくっています。生後2カ月くらいになると、次第に自分からニッコリするようになりますが、これは社会的微笑と呼ばれます。笑いかけるとニッコリしてくれるので、親はますます赤ちゃんをかわいがりたくなるので、親からコミュニケーションを引き出す赤ちゃんのすごいテクニックともいえます。さらに4カ月くらいになるとまわりの人の注意をひくかのように笑ってくれるので、こちらとしても、もっともっと笑わせたくなるのです。

泣き声だって同じ。おなかがすいたとか、おむつが汚れたとか、何か不満があるとき、赤ちゃんはそれぞれ周波数を変えた泣き声でまわりに自分の要求を伝えようとします。赤ちゃんが大人を巻き込むことで、赤ちゃんと大人が互いに影響しあえるよう、つまり大人たちに『相互作用』の働きかけをしてくれているようです。

こう考えるとコミュニケーションのきっかけは、実は赤ちゃん側から発せられていることが多く、これも赤ちゃんの能力のひとつといってもいいかもしれません。赤ちゃんも笑ったり、泣いたりを繰り返すことで、次第に声を出す方法を覚えていく、こういう日常のやりとりが、1歳を過ぎた後の言葉やコミュニケーションに通じていくのですね。

※この内容は小西先生の下記の著書を参考にManabiyaがまとめたものです。
小西行郎、吹田恭子著. 『赤ちゃんパワー、脳科学があかす育ちのしくみ』. ひとなる書房. 2003, 207p