守ってあげたい8つのからだの未熟性

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3.生後1年で大きく変わる姿勢

生まれた頃は首も腰もグラグラで
からだの機能が未熟だった赤ちゃんも、
脳の発達や骨や筋肉の発達とともに
姿勢がどんどん変化していきます。
生後4カ月頃までは股関節脱臼にも要注意。
姿勢の発達に合わせて適切にサポートすることが、
すこやかな成長につながっていきます。

赤ちゃんの自然な寝姿勢はWM

赤ちゃんの自然な寝姿勢は、手がW型、股と脚はM型です。
手足の関節角度は曲げる筋肉と伸ばす筋肉のバランスで決まるのですが、小さい頃は曲げる力の方が強いため、このような赤ちゃん特有の姿勢になります。
育児用品を選ぶ際には、赤ちゃんの成長に対応した広さを確保しつつ、赤ちゃんのWMの姿勢が崩れてしまわないなど、赤ちゃんの成長に合わせた姿勢の工夫があると、赤ちゃんはおでかけ先でもより快適に過ごせます。

股関節脱臼になりやすい

股関節脱臼の正式な病名は「発育性股関節形成不全」。
股関節と呼ばれる脚の付け根の関節がはずれる病気で、その発生は1000人に1~3人ほどです。具体的には、太モモのつけ根にある大腿骨の頭の部分が股関節からずれて外側にはずれる、あるいは、はずれかける状態をいいます。

股関節脱臼、気を付けるべきことは?

生後4カ月頃までが特に要注意。気を付けるポイントは赤ちゃんが脚を自由に動かせるようにしてあげること。抱っこする時に両脚を束ねるような抱き方をしたり、おむつを換える時に両脚をつかんで引っ張ったり、洋服や毛布などで脚を無理に伸ばすような姿勢にすることは避けましょう。ゆるやかな力も長時間となると関節に負担をかけます。予防と早期発見・治療が大切。3~4か月健診で確認し、疑いがある場合はすみやかに整形外科を受診して治療が必要かどうかの判断をしてもらいましょう。

姿勢と育児器具

ベビーカーやチャイルドシートは生後すぐや1カ月頃から3~4歳頃までという長い期間使われるものが一般的。生後1カ月前後は、頭を支える首の筋肉も弱く、からだもぐらぐらなため、寝ている姿勢で頭と首がしっかり支えられ呼吸が楽にできる工夫が求められます。また、新生児期は後頭部が突出していることが多いため、上を向いて寝かせると頭が前に垂れやすく、空気の通り道が曲がってしまうことがあります。その場合は肩にバスタオルを入れ、肩の高さを調整して首が前に垂れにくい姿勢にしてあげることが大切です。おすわりが出来る7-8カ月頃には、赤ちゃんが周囲の環境に興味を持ち始めます。この時期は、からだをしっかり支え、もたれて座る際、お尻が前にすべらない工夫もあると楽な姿勢が保ちやすくなります。さらに、おすわりが安定する1歳半を過ぎた頃には背もたれをしっかり起こせるような工夫も必要になってきます。