守ってあげたい8つのからだの未熟性

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4.体温調節がうまくできない

>赤ちゃんは自律神経の働きが未熟なため、
大人のように体温調節がまだうまくできません。
寒い時や暑い時など、季節や状況に応じて赤ちゃんの未熟な体温調節機能を補ってあげることが大切です。

体温調節が未熟な理由


赤ちゃんが体温調節をうまくできない理由はいくつかあります。
それは、自律神経の働きが未熟なこと、 まだ汗を十分にかけないこと、体温調節機能をもつホルモンの分泌がまだうまく行われないこと、皮下脂肪が薄く、熱を失いやすいこと、多くの母乳やミルクを飲むことで身体が作る熱の量が多くなりからだに熱をためこみやすいことなどがあげられます。
特に生まれてすぐの頃は外界温度の影響を受けやすいので、赤ちゃんが過ごす部屋の温度に配慮してあげてください。

新生児の体温調節

おなかの中ではママの体温に守られて過ごしてきた赤ちゃん。生まれてからは、急に体から熱が奪われやすい環境におかれることになります。その急激な温度変化に対応するために、生後すぐの赤ちゃんは、褐色脂肪細胞とよばれる部分で体温調節を行います。この脂肪組織は肩、脊柱、腎臓の周りに多く、調節できる範囲はとても狭いと言われています。

※ イラスト:“新生児の褐色脂肪組織の分布” 仁志田博司 『新生児学入門』、医学書院、1994、P163をもとに作成

赤ちゃんは汗っかき


赤ちゃんの小さなからだには、すでに大人と同じ数の汗腺があります。からだが小さい分、汗腺の密度が高くなるので、赤ちゃんは「汗っかき」と言われます。赤ちゃんは年中、たくさん汗をかいていて、特に頭や首、背中の汗の量が多いといわれています。人間のからだは約 60%が水分でできていますが、赤ちゃんの場合はそれより多く、約 70%。腎臓の機能も十分に発達していないために、濃いおしっこが作れず、おしっことして出る水分の量も多いのです。汗っかきな上に、体から出て行く水分量も多い赤ちゃんは脱水症状になりやすいので、こまめな水分補給が必要です。

熱中症


梅雨から夏にかけては 、小さな赤ちゃんが気づかないうちに「熱中症」になることがあります。まだ、からだが暑さに適応しておらず汗腺の働きも不十分なので、気温がそれほど上昇していなくても注意が必要です。赤ちゃんは細胞外の水分量が多いので、細胞外の血管内や組織の間にたまっている水分が失われていくと、脱水症状がおきます。炎天下の外出は控え、日差しの強くない時間帯にする、汗をよくかく時には赤ちゃん用の飲料を早めにあげるなどを心がけてあげましょう。

乳幼児突然死症候群


「あたためすぎ」が危険因子の1つといわれている「乳幼児突然死症候群」。この病気は、元気に過ごしていた主に生後6カ月以内の赤ちゃんが、原因不明で突然睡眠中に呼吸が止まり亡くなってしまうものです。赤ちゃんが眠ると手があたたかくなったり、冷たくなったりしますが、赤ちゃんはこのようなことを繰り返しながら体温調節をしています。眠った赤ちゃんに衣類の着せ過ぎなどがあるとこの調節がうまくできません。こまめに衣服や環境温度を調節してあげましょう。