ママのこと

妊婦さんのコロナワクチン接種

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妊娠中にコロナワクチンを接種することは、たとえコロナにかかっても、妊娠経過に支障を出さずに済むだけでなく、生まれて来るお子様に免疫をプレゼントすることもできます。積極的なワクチン接種が望ましいですね。但し、持病がある方は主治医にご相談ください。

ワクチンって何?

人間は一般に、感染症にかかると、原因となる病原体(ウイルスや細菌など)に対する「免疫」(抵抗力)ができます。免疫ができることで、その感染症に再びかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになります。
ワクチン接種とは、このような体の仕組みを使って病気に対する免疫をつけたり、免疫を強化するために行います。

なぜ必要なの?

妊娠中にコロナにかかると、ほとんどは軽症ですが、中等症Ⅰが16%、中等症Ⅱが15%、重症が1.9%という報告があります。中等症Ⅱ~重症例では早産率が増加したと報告されており、産婦人科の関係学会も、妊娠中の時期を問わず接種を勧めています。

コロナワクチンの種類

「新型コロナワクチン」は、これまでとは異なる「mRNAワクチン」や「組換えタンパクワクチン」と呼ばれるワクチンです。メッセンジャーRNAというウイルス構造設計図を人体に注入、感染時にウイルス抗体を作ることができるようにする仕組みのワクチンです。

副反応は?

ほとんどありません。日本で接種が進められている新型コロナワクチンでは、接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱等がみられることがあります。こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復しています。アナフィラキシー(急性のアレルギー反応)発生はごく稀です(発生率は100万回あたり5人の頻度)

妊娠中接種のメリットは?

妊娠中に接種したワクチンによってつくられた抗体は、臍帯を通じて胎児へ移行し、生まれた後に新生児を感染から守る効果があります。しかし、基本的に母親から譲り受けた免疫は、生後6ヶ月で消滅してしまいます。このため、厚生労働省では生後6か月から赤ちゃんへのワクチン接種を可能としています。赤ちゃんに関わる人が一人でも多く接種していたら、免疫が少ない新生児は、周りからからガードされていることになります。

お話をお聞きした先生
産婦人科医かしわざき産婦人科柏崎 香織 先生

最新の設備と専門機関との密な連携で妊婦さんの安全・安心な出産を第一とした診察を行う。自身も二人の子どもの母親であり、女性ならではの視点で妊婦さんに寄り添う。