「首すわり」「おすわり」のなぜ?
「なぜ首がすわるのか」考えてみたことはありますか?首の筋肉が発達したから?いえいえ、それだけではありません。首がすわる=「ヘッドコントロールできる」ことでもあるのです。首の向きが自由に動かせるようになる前に、見たいものを見るために目を動かす「追視」ができるようになります。3カ月くらいから追視ができるようになり、いわば、首を動かす”必要性“が出てくるのです。首がすわると、物が3次元的に見えてくるという面もあります。そう考えると、「首がすわる」のは、筋肉の問題だけではないことがわかります。
「なぜおすわりするのか」。実は、大人が支えてあげると、0カ月の赤ちゃんでもおすわりをします。6カ月ころには腰を曲げながら手を前につく、ひとりすわりをしますが、おそらくそこにいたるまでにも、1カ月のおすわり、2カ月のおすわり・・・といったおすわり独自の発達があると思われます。おすわりするための筋肉がついて、おすわりそのものができるようになると認知的なレベルも変わってきます。奥行や距離感がわかるようになり、目と手が協調的に動いて、細かい運動ができるようになります。そうすると、おすわりするようになるのです。
赤ちゃんの運動発達に理由のないことはありません。意味もなく首がすわるなんて不思議なことは起こりません。「首がすわる」「おすわりする」といった“点”で見てしまうと、「できる」「できない」で親は悩んでしまうのです。
本当に大切なのは、その頃に何が出来るかではなく、総合的にみること。何かが遅れていても、何かが順調だったりすれば、持てる能力を最大限に活用する赤ちゃんなりの戦略があるから 大丈夫。いつかバランスがとれていきます。発達の点と順序だけで悩む必要はないのです。
小西行郎著. 『はじまりは赤ちゃんから』. 赤ちゃんとママ社, 2013,128p
- 小西行郎先生の著書からご紹介
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赤ちゃんManabiya編集部
長年に渡ってアップリカの「赤ちゃん医学」をご指導いただいた小西先生。先生の著書から、プレママ・ママにぜひ知ってほしいことをご紹介します。