赤ちゃんの不思議な能力/ 目隠ししても自分のおしゃぶりがわかる!?
赤ちゃんのこと

目隠ししても自分のおしゃぶりがわかる!?

#赤ちゃんの不思議な能力

赤ちゃんの五感の中で、一番早く発達するのが触覚。赤ちゃんは口や舌で感じた触覚の刺激を、視覚でも感じることが出来るということが研究でわかっているようです。

生まれてすぐの赤ちゃんに目隠しをして、1つのおしゃぶりを十分吸わせたあと、おしゃぶりを外して、吸う部分の形が違うおしゃぶりの中にまぎれこませます。目隠しを外して赤ちゃんにそれらのおしゃぶりを見せたとき、どのおしゃぶりに注目するか?結果は、なんと赤ちゃんはおしゃぶりを見てもいないのに、自分の吸っていたおしゃぶりに注目するそうです。どうやらその理由は、赤ちゃんがひとつの刺激(この場合は口の中の触覚が受けた情報)の情報を、脳の2つ以上の部位で受け取ることが出来るから。

これを「共感覚」と呼ぶそうです。残念ながらこの能力は成長とともに弱まっていってしまいます。脳のネットワークが整理されて、目で見た情報は脳の視覚の部分に、手で触った情報は皮膚や筋肉の感覚を受け取る体性感覚の部分に伝わるというように、入力回路がそれぞれの場所に決められていってしまうからなのです。

私たちも暖色、寒色というように、赤系統の色を見ると暖かく、青系統の色は涼しさを感じますが、これは大人でも視覚野と温度を感じる温度覚(触覚)の回路が一部つながっているからで、共感覚のなごりだそうです。赤ちゃんの能力ってすごいですね。

※この内容は小西先生の下記の著書を参考にManabiyaがまとめたものです。
小西行郎著. 『知れば楽しい、おもしろい赤ちゃん学的保育入門』. フレーベル館. 2006. 111p