赤ちゃんのこと

なぜ赤ちゃんはたくさん眠るの?

#大人と違う赤ちゃんの特長ってなに?ー 8つの特性 ー
#睡眠

赤ちゃんがたくさん眠るのはよく知られています。実は赤ちゃんは、泣いたり、笑ったり、外から刺激を受けている時だけでなく、夜眠っているときにも脳機能を発達させています。大人の眠りは脳やからだを休ませることが一番の目的ですが、赤ちゃんの眠りには他に重要な役割があるのです。

多くの研究から、赤ちゃんがたくさん眠る理由は、「脳を創り、育て、守り、機能を進化させる」ためであることがわかってきました。おなかの中にいる頃や生まれてすぐの赤ちゃんは、「レム睡眠※」と呼ばれる浅い眠りの状態の中で脳の神経細胞を創り、それをつないで情報のネットワークを創造しています。そして、成長に伴い、記憶や認知などの脳機能を育て、それらが元気に働けるように点検・修理・補強して急激な環境の変化に対応しています。

大人の平均的な睡眠時間である7時間半に比べて、生まれたばかりの赤ちゃんがおよそ12〜16時間も眠る理由はここにあります。

脳の情報ネットワークは、おなかの中にいるときから5歳頃までに急速に発達します。脳が未熟な状態で生まれる赤ちゃんにとって、大量の眠りは脳の成長発達にかかせない大切な時間なのです。

※まぶたの下で眼球が左右に動く運動を「レム」と呼ぶことから、浅い眠りを「レム睡眠」と言います

三池輝久著『赤ちゃんと体内時計』 集英社,2021,P55図6より