赤ちゃんのこと

無防備な頭と首

#大人と違う赤ちゃんの特長ってなに?ー 8つの特性 ー
#頭と首

大人を8頭身とすると、生後すぐの赤ちゃんは4頭身です。そのため頭が相対的に重くて大きく、それを支える首の筋肉や指令を出す神経系もまだ発達していません。頭蓋骨と脳の間にすき間も多く、脳血管が細くてもろいため、虐待などのとても強い揺さぶりを受けると頭がい骨の内側に脳が何度も打ちつけられ、脳の損傷が生じたり、血管が切れて硬膜下出血やくも膜下出血を起こすことがあります。

頭皮も薄く、皮下脂肪や髪の毛も薄いのでひどい外傷を受けると、脳にまでダメージを与えてしまう可能性もあります。大人の場合、脳は傷つかないように頭蓋骨でしっかり保護されていますが、生まれたばかりの赤ちゃんの場合、頭蓋骨を重ね合わせて産道を通るため、5つの頭蓋骨どうしの間には隙間があります。また、大泉門と小泉門という隙間もあります。小泉門は生後2カ月位で、大泉門は生後18~24カ月頃には閉じます。大人に比べて赤ちゃんの頭は頭蓋骨そのものも薄く柔らかいため、脳を保護する力が弱いのです。

発達初期の赤ちゃんにとって、生まれてから数カ月の間はとても重要な時期です。抱っこする時やチャイルドシート、ベビーカーなどに乗せるときなど、この時期の赤ちゃんのやわらかい頭と首をしっかり支えて、守ってあげてください。

アップリカの考える出産・育児の大切なこと
赤ちゃんManabiya編集部

1970年に小児医学を中心とするさまざまな専門家と共に赤ちゃんの未熟なからだと心について分析・研究を始め、以来、知識や知見を「赤ちゃん医学」として積み重ねてきました。
※監修 細野 茂春 先生