赤ちゃんの発達を考える/ ヒトだけがするあお向け寝
赤ちゃんのこと

ヒトだけがするあお向け寝

#赤ちゃんの発達を考える

赤ちゃんを寝かせる時に、普通、あお向け寝で寝かせます。このあおむけ寝は、実はヒトの赤ちゃんだけが出来る特別なことなのです。人間に近いと言われている大人のチンパンジーはあお向けにするとすぐにうつ伏せになります。自然界に生きる動物にとって、おなかを上に向けた姿勢は、危険きわまりないものなのかもしれません。

あお向け寝の姿勢で、遊んだり、眠ったりできる特別な能力は、生まれてすぐから両手を自由に動かすことを可能にしました。あお向け寝だからこそ、手足をそれぞれ独立させて動かすことができますし、あお向け寝なら、目と目を合わせやすく、コミュニケーションの基本となる「アイコンタクト」も取れます。お世話をしてくれるお母さんと赤ちゃんが目を合わせながらするやりとりは、コミュニケーションの始まりです。

そして、もうひとつ、「抱っこ」も霊長類の中でヒトだけがするものと考えられています。ニホンザルは、生まれたてから数か月間はお母さんのおなかにしがみついて生活します。動物園で見かけるその親子の姿も、よく観察すると親ザルは赤ちゃんを抱いておらず、赤ちゃんの方が親のおなかに必死にしがみついているのがわかります。

ヒトだけがするあお向け寝と抱っこ。お母さんだけでなく、お父さんや周りの人がみんな抱っこできる、この特別な能力を子育てにうまく活かさない手はないです。

※この内容は小西先生の下記の著書を参考にManabiyaがまとめたものです。
小西行郎、小西薫著. 『子どもはこう育つ、おなかの中から6歳まで』. 赤ちゃんとママ社. 2020, 176p