おなかの中の赤ちゃん、何してる?/ 赤ちゃんの五感の始まり
ママのこと

赤ちゃんの五感の始まり

#おなかの中の赤ちゃん、何してる?

いわゆる「五感」(「触覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「視覚」)の中で、おなかの中の赤ちゃんに最も早く発達し、重要な役割を果たすのが「触覚」です。妊娠7~8週ごろにはもう皮膚感覚が生じています。赤ちゃんは自分の指を探しては口の中にいれたり、手をなめたりもします。こうした皮膚感覚の刺激が脳の発達を促していきます。

「聴覚」は早い時期に耳の原型ができ、やがて神経や脳の発達に伴い、聞こえるようになっていきます。おなかの中では、ママの声はもちろん、からだを流れる血液の音や心臓の音、外界からの音、話し声など色々な音を聞いています。ただ、外界の音やママの声などおなかや羊水を通して聞こえてくるものは、私たちが聞いている音とは少し違うと想像できます。それでも、生まれてまもない赤ちゃんは、ママの声と別の人の声を聞き分けているそうです。

一方で「嗅覚」「味覚」も完成しはじめ、妊娠中のママの羊水に甘味を加えると、赤ちゃんは羊水をよく飲み、苦みを加えると飲む回数が減ったという実験報告があります。おなかのなかにいるときから、苦味や甘味が判別できることは確かなようです。大人が最もたくさんの情報を得ている「視覚」は、おなかの中では使う必要がないので、赤ちゃんの五感の中で一番ゆっくり発達していきます。おなかの中にいるときから、こうした感覚を身につけて、赤ちゃんは世界を探り始めているのですね。

※この内容は小西先生の下記の著書を参考にManabiyaがまとめたものです。
小西行郎著. 『知れば楽しい、おもしろい赤ちゃん学的保育入門』. フレーベル館. 2006. 111p
小西行郎著. 『赤ちゃんと脳科学』.集英社. 2003.192p