赤ちゃんの不思議な能力/ 赤ちゃんの危機管理
赤ちゃんのこと

赤ちゃんの危機管理

#赤ちゃんの不思議な能力

危機管理というと大げさですが、危機を回避する、自分を守るという防衛本能を赤ちゃんはある程度持っていることがわかっているそうです。赤ちゃんでも、物が飛んで来たら顔はよけますし、後ろにそっくり返る能力もある、ヒトは誰でも危機を予知する能力をある程度持っているんですね。

例えば、赤ちゃんがテーブルの上のような少し高いところをはいはいするとき、お母さんたちはたいてい、落ちてしまう!と心配しますね。でも実はそういうとき、赤ちゃんは落ちないようです。ベッドのような台を2つ置き、その間に透明の板を渡す、視覚的断崖という実験があります。台の端、ギリギリまで行った時に、その透明な板の上を赤ちゃんがはいはいするかどうかを見るものです。生後6~9か月位の赤ちゃんはだいたい、ギリギリのところで止まり、それ以上越えては行きません。その理由は、断崖を越えたら落ちると理解しているからなのです。

Gibson, E. J. & Walk, R. D., The ‘Visual Cliff' , Scientific American, 202, 1960.にもとづく

幼児になると、ちょっと危ない高さに上ってしまったら、自分で降りようとします。後ろから、足で探りながらそろそろと。赤ちゃんの場合はどうでしょう?降りる能力はもっていないので、危ないと思ったらまず行かないようです。なので、お父さん、お母さんは必要以上に先回りして心配しなくてもよいのかもしれません。安全がある程度確保された環境の中では、赤ちゃんを信用して黙って見守ってあげてください。

※この内容は小西先生の下記の著書を参考にManabiyaがまとめたものです。
小西行郎著. 『はじまりは赤ちゃんから』. 赤ちゃんとママ社, 2013,128p