
夜間授乳卒業のために その1 睡眠についての誤解
#睡眠
『赤ちゃんManabiya』の「夜間授乳」の記事に「夜間授乳をやめるためには、何をしたらいいの?」「上の子を起こしたくないから、下の子は夜間授乳になってしまう」という感想をいただきました。
そこで、Manabiya編集部は、赤ちゃんの睡眠や夜間授乳について多くのママにアドバイスされている小野恭子さん(赤ちゃん学コーディネイター/眠育シニアアドバイザー)にお話しをお聞きしました。
小野さんは、子どもの睡眠研究の第一人者である三池輝久先生と共に、5年間で1500人以上のママたちの睡眠表※1に目を通し、相談に乗ってこられた睡眠のアドバイザーです。ここから3回に分けて、赤ちゃんの睡眠についての誤解や夜間授乳卒業のための方法、体験例などについて、教えていただきます。
ママたちの誤解①「夜間は目を覚ますたびに授乳した方がいい」
ママたちとのやりとりの中で小野さんが一番痛感された誤解はコレだったそうです。
『赤ちゃんが夜にぐずって目覚めたら、「おなかすいたのかな?」と授乳してしまいがち。でも、大人の睡眠は90~100分の周期、赤ちゃんの場合は40~60分の周期で浅い眠りと深い眠りがつながっており、そのつなぎ目は目覚めやすくなっています。目覚めの理由が空腹とは限らないため、目覚めるたびの授乳は内臓を活動させ、寝る指示を出す脳と矛盾が生じ、体内時計を混乱させます。「泣き」の原因が思い当たらない場合は、まず数分トントンして、そっと見守ってみるとセルフねんねをしてくれることも多くあります。夜の睡眠は、少しでも持続させることが大事なことなのです。』
ママたちの誤解②「自然な寝起きに任せた方がいい」
これもママたちから多く聞かれる質問の1つだそうです。
『実は、24時間という地球時間と人の身体時間には微妙な差があり、自然な寝起きに任せていると少しずつ後ろに時間がずれ、遅寝になりがちです。「赤ちゃんは生後2カ月頃で5~6時間、生後3カ月頃に6~8時間続けて“眠るチカラ“があります。生後6カ月には一晩中眠ることができるようになるので、この時期あたりから夜の授乳をやめることで、この眠りの持続力を発揮できるようになります。生後3カ月と聞くと夜間授乳卒業が早いと感じられるかもしれませんが、自我が出てくる時期よりも早めに夜間授乳をやめる方が成功率が高いように感じます。』
夜間授乳を卒業するための1つの方法として、実際に睡眠表(睡眠ログ)を使う方法を教えていただきました。
実際にどのようなことをすると良いのか、日本眠育推進協議会がおすすめしている内容を次の「夜間授乳を卒業するために その2 睡眠表をつけて早寝のトライをしてみよう」でご紹介します。
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赤ちゃんManabiya編集部1970年に小児医学を中心とするさまざまな専門家と共に赤ちゃんの未熟なからだと心について分析・研究を始め、以来、知識や知見を「赤ちゃん医学」として積み重ねてきました。


