大人と違う赤ちゃんの特長ってなに?ー 8つの特性 ー/ 夜間授乳卒業のために その2 睡眠表をつけて早寝のトライをしてみよう
赤ちゃんのこと

夜間授乳卒業のために その2 睡眠表をつけて早寝のトライをしてみよう

#大人と違う赤ちゃんの特長ってなに?ー 8つの特性 ー
#睡眠

ママたちが悩む赤ちゃんの睡眠問題と向き合ってこられた小野恭子さん(赤ちゃん学コーディネイター/眠育シニアアドバイザー)に、夜間授乳を卒業するための具体的なアクションについてアドバイスをうかがいました。

Q:夜間授乳卒業のために、最初にすべきことは?
A:自分の赤ちゃんが夜の睡眠時間をどの位必要としているかを知ることです。

日本人の場合、0歳から10歳位まで変わらず、1日9時間~11時間の睡眠を必要としています。また、日本では保育園や幼稚園、小学校から社会人にいたるまで、だいたい午前6時~7時の間には起床しなければなりません。その時刻に気持ちよく起きることが出来る体内時計を赤ちゃんの頃に作ってあげることが大切です。

個人差があるため、まず、自分の赤ちゃんがどのくらいの睡眠時間が必要か、休日などを利用して確認します。大人の都合で起こしてしまうと赤ちゃんは睡眠不足になってしまうので、赤ちゃんが自然に寝て、自然に起きる時間を確認しましょう。そして、将来、実際に起床しなければならない午前6時~7時から、自分の赤ちゃんが必要とする睡眠時間を逆算して入眠時刻を設定します。

目標の入眠時刻が決まれば、家族で協力して、その時間に全員で寝る!という生活を2週間、続けてみてください。赤ちゃんに入眠の習慣ができたら、大人はもとの生活に戻って大丈夫です。

Q:具体的な早寝トライの方法を教えてください。
A:さまざまな研究結果をもとに日本眠育推進協議会が提案している、具体的な早寝トライの方法をご紹介します。夜を通して眠れるようになる方法としておすすめするのが下記の3つの手順です。

睡眠記録を2週間つけてみる

朝晩の寝付いた時間、起きた時間だけでなく、お昼寝を含めて1日の眠りを時間軸で記録します。全体の生活リズムを一望するために、2回の週末を含めてください。睡眠記録シートは日本眠育推進協議会をはじめネット検索すると無料でダウンロードできるフォーマットが入手できます。

※日本眠育推進協議会 https://www.min-iku-suishin.org/miniku_log/

睡眠記録の結果を下記のポイントで確認する

1)夜に10時間程度の連続した睡眠が取れているか。
2)その睡眠は夜7時から朝7時までの間か。
3)入る時刻と起きる時刻がほぼ一定になっているか。(毎日前後30分程度のばらつきに抑えられていると良い)

2週間、家族全員が協力して、目標の入眠時刻に家全体の明かりを消して早寝にトライする

最初から、どれだけ泣いても授乳はしないと心に決めて進めるとうまくいきやすいですが、夜に3回以上授乳していた場合は、少しずつ間隔をあけ、ひと晩に3回を2回に、2回を1回にしていくというのもアリです。それぞれのやり方で、できるだけ早く夜間授乳を完全にやめられるように進めてください。

Q:なかなか大変そうなのですが、皆さん、どんな感じだったのでしょうか?
A:やはり、非常に強く泣き続けることも多く、ママやパパがつらくなることもあります。強力な耳栓をしてアイマスクを付けているようなイメージで、赤ちゃんの泣きにたえる覚悟も必要です。でもだいたい4~5日で一晩中ぐっすり眠れるようになりますが、なかには、10~14日、なかには3週間かかったというケースも。睡眠リズムをこの時期に身につけておくことが将来の睡眠や脳の発達にも影響を与えていくことが研究でわかってきています。夫婦ともに時間的に余裕があるタイミングに協力して進めるのが肝ですね。

小野さんに教えていただいた、実際の体験例や睡眠表を次の「夜間授乳卒業のために その3 実践体験談編」でご紹介しています。トライしてみようと思っていただいた皆さま、是非そちらも読んでみてください。

公開日 2025年8月29日

アップリカの考える出産・育児の大切なこと
赤ちゃんManabiya編集部

1970年に小児医学を中心とするさまざまな専門家と共に赤ちゃんの未熟なからだと心について分析・研究を始め、以来、知識や知見を「赤ちゃん医学」として積み重ねてきました。